2021年6月3日(日本時間)、Googleは「June 2021 Core Update」を実施すると発表しました。

Later today, we are releasing a broad core update, as we do several times per year. It is called the June 2021 Core Update.

(日本語訳)本日このあと、年に数回実施しているコアアップデートを行います。これはJune 2021 Core Updateと呼ばれます。

今回のコアアップデートでは、「ページエクスペリエンスシグナル」という新たなランキング指標が導入されています。

  • ページエクスペリエンスシグナルって何?
  • SEOへの影響はどのぐらい?
  • どのような対策をすればいい?

ということについて、わかりやすく解説します。

ちなみにこの記事の後半で正直に公開していますが、当サイトのページエクスペリエンスはボロボロでした⋯⋯。

執筆者:保坂 陽平
保坂 陽平

福岡県宗像市を拠点に、SEO対策コンサルティングやWordPress講座などを行っています。全日本SEO協会認定SEOコンサルタント。上級ウェブ解析士。
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ページエクスペリエンスシグナルとは?

ページエクスペリエンスシグナルとは、ウェブページ内でのユーザー体験(UX)を測る指標のことです。

例えば、面白そうな記事を見つけてリンクをクリックした時に、ページが重くてなかなか開かず、「もういいや」と離脱してしまったことはありませんか?

その先に本当に面白いコンテンツが待っていたとしても、ページの読み込みに時間がかかっていたら「面白そう!」とワクワクしていた気持ちも下がってしまいますよね。

実際にGoogleの調査によると、ページの読み込みに3秒以上かかると53%の人が離脱してしまうとのこと⋯⋯。

The average time it takes to fully load a mobile landing page is 22 seconds, according to a new analysis.1 Yet 53% of visits are abandoned if a mobile site takes longer than three seconds to load.2 That's a big problem.

(日本語訳)新しい分析によると、モバイルのランディングページをすべて読み込むのにかかる時間は平均22秒です。しかし、読み込みに3秒以上かかると訪問者の53%は放棄されます。これは大きな問題です。

コンテンツそのものがどんなに良くても、読み込み速度が遅いと離脱につながる、つまり、ユーザー体験が低いということになります。

また、スマホで見た時に画像が途切れていたり、画面いっぱいにポップアップ広告が出てきたりすると、残念な感じがしますよね。

このように、コンテンツ自体の価値だけでなく、見やすさ、読みやすさ、使いやすさといったユーザー体験を良くすることも、ページの価値を上げるために大切なポイントとなっています。

そして、そのページ内でのユーザー体験(=ページエクスペリエンス)を測る指標として導入されたのが、ページエクスペリエンスシグナルです。

3つのコアウェブバイタル(Core Web Vitals)

Googleは全部で7つのページエクスペリエンスシグナルを上げていますが、そのうちの3つが「コアウェブバイタル(Core Web Vitals)」と呼ばれる新しい指標です。

  1. Largest Contentful Paint(LCP)
  2. First Input Delay(FID)
  3. Cumulative Layout Shift(CLS)

LCD、FID、CLSと難しい用語が出てきましたので、一つひとつ解説していきます。

Largest Contentful Paint(LCP)

LCPとは、ページの読み込み速度のことです。

Largest Contentful Paintを直訳すると、「最大コンテンツの描画」という意味。

Googleによると、「LCPをページの読み込み開始から2.5秒以内に実現することで、優れたページエクスペリエンスが提供される」とのこと。

簡単にいうと、「ページの読み込みにかかる時間を2.5秒以内にしましょう」ということです。

First Input Delay(FID)

FIDとは、ページ内で最初にマウスクリックやスマホ画面のタップ、テキスト入力などの操作をしたときの「ブラウザの反応時間」のことです。

First Input Delayを直訳すると、「初回入力遅延」という意味。

このFIDを100ミリ秒(0.1秒)未満に収める必要があります。

これも簡単にいうと、「サクサク操作できるページにしましょう」ということです。

Cumulative Layout Shift(CLS)

CLSとは、レイアウトのズレを表す指標です。

例えば、記事を読んでいるときに画像やバナー広告が突然現れて、本文が下にズレてしまうことがありますよね。

下にスクロールしようとスマホをタップした時にちょうどバナー広告が出てきて、その広告を誤ってクリックしてしまい「うざっ」って思ったことありませんか?

このようにユーザーが予期せぬ形でレイアウトがズレてしまうと、ユーザー体験を下げてしまいます。

それを測るのがCLSで、CLSスコアを0.1未満に収めることが推奨されています。

Cumulative Layout Shiftを直訳すると、「累積的なレイアウトシフト」という意味。

CLSスコアの計算方法については割愛しますが、気になる方はこちらの記事をご覧ください(わかりにくいです)。

コアウェブバイタルを改善するには?

LCP、FID、CLSと難しい用語が出てきましたが、要するに「パッと読み込んでストレスなく見られるページにしましょう」ということです。

  • ページに載せる画像の容量を小さくする
  • Javascriptやプラグインの使用をできるだけ減らす
  • サイトをレスポンシブ対応(スマホ対応)にする
  • スマホで横スクロールしないと見られないような画像や表をなくす
  • 画面いっぱいに表示されるポップアップをなくす

といった基本的なことがコアウェブバイタルの改善につながります。

ページのコアウェブバイタルは、『Web Vitals』というGoogle Chromeの拡張機能で確認できます。

あなたのサイトのコアウェブバイタルを測定して、問題があればできることから改善していきましょう。

7つのページエクスペリエンスシグナル

ページエクスペリエンスシグナルは、3つのコアウェブバイタルの他に以下の4つがあります。

  1. モバイルフレンドリー
  2. セーフブラウジング
  3. HTTPS
  4. 煩わしいインターステイシャルがない

モバイルフレンドリー

モバイルフレンドリーとは、一言でいうとスマホ対応のことです。

スマートフォンやタブレットなどでも見やすいかどうか、操作しやすいかどうかもSEO評価の対象となっています。

ページがモバイルフレンドリーになっているかどうかは、モバイルフレンドリーテストで確認できます。

セーフブラウジング

セーフブラウジングとは、言葉の通り安全性のことです。

マルウェアのような悪意のあるソフトウェアや不正なコンテンツが含まれていると、SEO評価が落ちてしまいます。

当然そんなことはしていないと思いますが、サイトがハッキングされて知らずしらず有害なコンテンツを入れられてしまうことも⋯⋯。

自分のサイトが安全かどうかは、Googleサーチコンソールの「セキュリティと手動による対策」→「セキュリティの問題」で確認できます。

HTTPS

HTTPSとは、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)に「S(Secure)」が加えられたもので、「通信内容が暗号化されるので安心ですよ」ということを示すものです。

サイトのアドレスの頭が「http://」で始まっている場合は、早めに「https://」に対応しておきましょう。

煩わしいインターステイシャルがない

検索結果から読みたい記事をクリックしたときに、いきなり画面いっぱいに広告が表示されて「うざっ」って思ったことはありませんか?

インターステイシャルとは、このような画面いっぱいに出てくるポップアップのことです。

コンテンツの上に広告が重なって見られない、その広告を閉じないと記事を読めないというのは、はっきり言ってウザいですよね。

このようなユーザーからウザがられるようなサイトは、SEO以前の問題です。

また、ポップアップが出てくることでレイアウトのズレも生じますので、コアウェブバイタルの一つである「CLS」を下げる要因にもなりますね。

ページエクスペリエンスを高めるには?

以上、ページエクスペリエンスは全部で7つ。

  1. Largest Contentful Paint(LCP)
  2. First Input Delay(FID)
  3. Cumulative Layout Shift(CLS)
  4. モバイルフレンドリー
  5. セーフブラウジング
  6. HTTPS
  7. 煩わしいインターステイシャルがない

ページエクスペリエンスを高くするには、ユーザーにとって見やすく、読みやすく、使いやすく、安全にアクセスできるサイトにしていくことが大切です。

中でも特に重要なのは「モバイルフレンドリー」かと思います。

スマホやタブレットでも快適に閲覧できるように、スマホでも見やすい画像や表を用意したり、リンクとリンクの間を空けて誤クリックを減らしたりするような工夫が必要でしょう。

また、レスポンシブ対応、HTTPS化はもはや当たり前。

まだ対応できていない古いサイトは、早めにリニューアルされることをオススメします。

ポップアップ広告、会員登録や資料請求を促すバナーも控えめにしておきましょう。

ページエクスペリエンスを確認する方法

自分のサイトがページエクスペリエンスに優れているかどうかは、Googleサーチコンソールで確認できます。

左メニューの「ページエクスペリエンス」から確認してみてください。

うちのサイト、優れたページエクスペリエンスのページが10.5%しかないとのことで、ボロボロですね⋯⋯。

ページエクスペリエンスシグナルのSEOへの影響は?

ページエクスペリエンスシグナルのSEOへの影響については、今のところはそれほど大きくないかと思います。

実際に当サイトはページエクスペリエンスのスコアがボロボロでしたが、大きな順位変動は起きていません。

また、Googleのページエクスペリエンスの解説ページには、このように書かれています。

ページ エクスペリエンスは重要ですが、それでも Google は、ページ エクスペリエンスが劣っていても、全体的に価値の高い情報を含むページを上位にランキングするようにしています。つまり、いくらページ エクスペリエンスが優れていても、コンテンツが優れたページを上回ることはありません。ただし、関連性が同程度のページが多数存在する場合の検索ランキングにおいては、このページ エクスペリエンスが一段と重要になります。

要するに、ページエクスペリエンスよりもコンテンツの質が重要。

コンテンツの質が同じぐらいであった時に、ページエクスペリエンスが高いページが優先されるということです。

これはGoogleが一貫して言い続けていることですが、検索クエリとの関連性が高い、価値のあるページを作っていくことが先。

まずは有益なコンテンツを作った上で、ページエクスペリエンスを高めていきましょう。

ページエクスペリエンスシグナルへの今後の対策

SEOへの影響が今のところ小さいとは言え、今後はどうなるかわかりません。

また、ページエクスペリエンスの導入は8月末まで続き、7月にもコアアップデートを行うと発表しています。

The page experience update is now slowly rolling out (Top Stories will begin using this new signal by Thursday). It will be complete by the end of August 2021.

(日本語訳)ページエクスペリエンスシグナルのアップデートは、現在ゆっくりと展開されています(トップストーリーは新しいシグナルを木曜日までに使い始めます)。2021年8月末までに完了する予定です。

Some of our planned improvements for the June 2021 update aren’t quite ready, so we’re moving ahead with the parts that are, then we will follow with the rest with the July 2021 update.

(日本語訳)6月のアップデートで計画されていた改善の一部は、まだ準備が整っておりません。そのため、準備ができた部分を進め、残りは7月にアップデートします。

そのため、6月のコアアップデートで影響がなかったサイトも、これから順位変動が起こる可能性は十分にあります。

7つのページエクスペリエンスシグナルを高めるために、できることから対策しておきましょう。

今後の対策
  1. LCP: 画像の容量を小さくするなどして、ページの読み込みにかかる時間を2.5秒以下にする
  2. FID: Javascriptやプラグインの使用をできるだけ減らし、ブラウザの反応時間を0.1秒未満にする
  3. CLS: 画像サイズを指定しておくなどして、レイアウトのズレが起きないようにする
  4. モバイルフレンドリー: スマホでも見やすく、読みやすく、操作しやすいページにする
  5. セーフブラウジング: サイトがハッキングされないようにセキュリティを高める
  6. HTTPS: すべてのページをHTTPS化(SSL化)する
  7. 煩わしいインターステイシャルがない: ポップアップ広告やバナーを控えめにする

ただし、ページエクスペリエンスの前にまずはコンテンツです。

地道にコツコツ、役立つサイトを構築していきましょう。